2013年12月23日月曜日

その11 残された猫の将来を守るには

昨年夫が亡くなり、一人暮らしで8歳の雌猫がいます。子どもはいません。私に万が一のことがあった時、この猫が路頭に迷うことのないようにしたいのですが……。(岐阜県 63歳女性)

十数年前に「愛猫のために遺言を作ろう」というシンポジウムを主催したことがあります。
全国各地から熱心な愛猫家が集結し、有効な遺言の書き方を學びました。

なぜ、こんなイベントをしたかというと。

私がキャットシッティングを始めた1992年に、あるお客様から
「私たち夫婦が飛行機事故で死んでしまったら、この猫を引き受けて貰えませんか?」
という申し出があったのです。

コレは、私にとってまさに目からウロコでした。
よくよく考えたら、必ず人が猫より長生きするとは限りませんものね。

その後の試行錯誤は省略しますが(詳細は『猫の森の猫たち』で)、残された猫を守るために、私たち自身でできる事を始めようという趣旨で開催したイベントが前述の「愛猫のために遺言を作ろう」だったのです。

猫好き同士がネットワークを作って、お互いに助け合えるようにできないか?
そのためにまず愛猫の将来について遺言を作ってみようじゃないか?

しかし、その時とったアンケート結果は意外なものでした。

「愛猫は猫好きの人に託したいが、猫好きの人はすでに猫がいて、引き受けてもらえそうにない」
「持参金付きで猫を託したいが、託す相手がいない」

うーん、困った……。

さらに試行錯誤をくり返し、2002年に猫の受け皿となる施設を作り、契約による猫の生涯保障制度をスタートさせたのでした。
※猫の森の生涯保障に関しては、こちらをご覧ください。

私としては今でも、契約やお金を介さない形での、猫仲間の助け合いが理想だと考えています。

そこで、猫の将来を守るために個々でできることを考えてみました。

1.猫の預け先リストを作り、先方に打診してみる
2猫に関する遺言書を作成し、家の中の分かりやすい場所に置く
3猫に関する覚え書きノートを作り、他人が見て、猫のお世話ができるようにしておく

こうした一連の作業をしていく過程で、いろんなアイデアが生まれてきます。
また、手を差し伸べてくれる人も出て来るものです。

頭で考えているだけでは、傍目にわからないのです。
あなたが実際にアクションを起こすことで、状況は変わって行きます。

熱意こそが人を動かす原動力!
愛猫を思う熱い思いで、まずは第1歩を踏み出してください。





本日もお付き合いいただき、ありがとうございました。

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