2013年5月20日月曜日

その4 梅雨前にキャットフードの保存を見直しましょう

「エサ」か?「ごはん」か?


だいぶ以前の話ですが、シッティングの打ち合わせで、あるお客様が、
「食べ残したエサは袋にもどしてください」

と言うのです。

内心、
(なぬっ?!)
と思いましたが、好奇心で、

「はい、それから?」
と先を促すと。

「この袋をよく振ってください」
どうやら、食べ残しと新しいドライフードを混ぜるようです。

「こうやると、よく食べるんです」
とにこやかに説明をするお客様。

うぬぬーー。

猫さんが私の足下で
「なんとか言ってよ」
的な目つきで、私を見上げてきた(ように感じました)。

南里「あ、あのぅ……」
お客様「はい? なにか?」
南里「猫のドライフードは見た目、カリカリした感じなので、いつまで腐らないようなイメージがあるかもしれませんけど、実際は高タンパク・高脂肪なので、お皿に盛った時点から、どんどん酸化が始まってるんです」

お客様「えっ! そうなんですか?」
南里「ええ、ですから、食べ残しを袋に戻すってことは、腐ったものを入れるってことに……」
お客様「し、知らなかった……」


お客様「ということは、エサの食べ残しは捨てなきゃ、駄目なんですね」
※実は「エサ」という言葉も気になる。


南里「1番いいのは食べきる量を出すことです。これなら食べ残しが出ません」
お客様「えっ? じゃ、エサを出しっ放しにしとかなくていいんですか?」
※「エサ」という言葉がひっかかるーー。


南里「いつもは1日どのくらいの量出してますか?」
お客様「決まった量はなくて、猫が欲しがったときに出してるんですが……」

こういう方、多いです(笑)。

この方は袋に戻してのシャッフル派ですが、多いのはドライフードの継ぎ足し派。
継ぎ足しイコール食器を洗わない。


「エサ」という言葉と、その人がやってることはリンクしているのかもしれません。
「エサ」という意識だから、食器を洗わないし、継ぎ足しでも平気。

ひょっとして「エサ」を「ごはん」と言い換えたら、1日の量を把握して、
食べ残しは捨て、食器を洗い、新鮮なキャットフードを盛りつけて
「さぁ、召し上がれ」
とならないかしらん。

大量買い、ちょっと待って

みなさん、ご存知のように開封したてのドライフードは猫たちに大人気。
カリッ、ポリッ、カリッ、ポリッといい音をたてて食べてくれます。

しかし、開封からしばらくすると
「しょうがないなぁ、今日もコレかぁ」
的な食べ方に変わります。

できれば、猫さんたちには小袋で開けたての感動数を増やしたいもの。
確かに大袋の方が経済的ではありますが、我が家は1ヶ月に1度の購入を目安にしています。
ドライフードを開封してから、食べきるのに3ヶ月もかかっては酸化が進みますからね。

キャットフードの大量買いはちょっと待て、です。
ドライフードもウエットフードも、そりゃ新鮮なものがいいに決まってます。

開封したら保存

さて、湿度が高くなる梅雨時は、特にキャットフードの保存に留意したいもの。

ドライフードの袋の口がパカーッと開いたまんま、なんてお宅もたまに見かけます。
ドライフードは空気に触れたら、酸化が始まると思ってくださいね。

ドライフードを開封したら

1.乾燥剤を入れる

2.口をしっかり閉じる、または密閉容器に移し替える

3.陽の当たらない場所で保存


ウエットフードもできるだけ食べきりサイズを選んで、残った場合でも翌日中には食べてもらいたいものです。

そして、猫さんの食べきる量を把握して、食べ残しを出さない。
食器は毎回洗う。

子猫や老猫はさておき、健康な成猫であれば、フードの出しっ放しはしない。

大事なのは、空腹の時間を作ることです!
コレ、猫も人も同じですね。

梅雨時、猫さんたちに新鮮な食事を提供できるよういたしましょうね。

本日もお付き合いいただき、ありがとうございました。

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