なんりひでこの猫よろず相談: 相談その3　可愛すぎる猫

可愛過ぎて、家での仕事が手につきません。（東京都　30代男性）

なんりから

「猫っ可愛がり」という言葉があります。
見返りを期待せずに、甘やかす無償の愛。
ひたすら愛をそそぐこと。

猫という生き物はそういう対象なのですから、これはもう仕方ありません。

我が家の夏子姫も半端ではない可愛さです。

お鼻がちょっとしゃくれていて、宮崎あおいにそっくりな茶白の9歳。

人間齢だと50歳くらいですが、猫はいくつになっても可愛いのであります。

顔立ちも可愛いのですが、声がこれまた可愛い。

「ナッちゃーん」と呼ぶと、ややかすれ気味の声で

「ニャーーン」

と応えてくれます。

これがもう身悶えするくらいの愛くるしさ。

再び、やや高めの声で

「ナッちゃーん」

「ニャーン」

を繰り返し、ナッちゃんが呆れて返事をしなくなるまで続けます。

この間、私の目尻は下がりっぱなし、口角は上がりっぱなし。

さて、声もかわいいのですが、ナッちゃんは仕草も可愛いのです。

目が合うなり、コテンとひっくり返ってクネクネ、コテンコテン。

ゴロゴロ、ウニャウニャ、ゴロゴロ、ウニャウニャーー。

もう、たまりマシェーン。

柔らかくて、フワッと軽い身体。

毛質はモフモフっとして、お日様の香り。

膝に乗ると、キラッキラッした瞳で私の顔をじっと見上げてくる。

んもぉ、なんて可愛いんでしょう！

これでは、とても仕事などできるもんではありません。

さらにナッちゃんといっしょにいると、なぜか私の中のオジさんが目覚めてしまう。

「ナッちゃん、かわええなぁ、でへへ」

「ナッちゃんの好きなもの、なんでも買うちゃるよー」
的な。

我ながら怪しいと思います（笑）。

こうした感情は4匹のオス猫たちに対しては、決して芽生えない。

オス猫の可愛さと、メス猫の可愛さはどうやら次元が別のようです。

オス猫は単純明快、シンプルに可愛い。

メス猫はミステリアス、魅惑的な可愛さ。

どちらも可愛くて、私たちは彼らに翻弄され、魅了され、進んで彼らの下僕になってしまいます。

しかし、それで困る人はいないでしょう。

仕事ができなくてもいいではありませんか。

そんなことはちっちゃなことです、猫の魅力に比べれば。

猫にメロメロになれるのは、かなり倖せなことです。

そういう体験ができない人は世の中にたーくさんいますからね。

猫という存在を知ってしまったから、この喜びがあるのです。

喜びと誇りをもって、思いっきり猫っかわいがりしましょう。

人に十分可愛がられた猫は、愛されること、愛することをためらいません。

それで、加速度がつき、よりいっそう可愛くなる。

猫は「可愛い」という言葉をしっかり理解してるように思います。

「可愛い」という言葉の意味を感じ取っていて、
「可愛い」という言葉に敏感に反応します。

いい関係を保つには、とにかく褒める言葉を惜しまないこと、
猫にも人にも。

あ、ナッちゃんが見上げてきたので、今日はこの辺で。

「もぉ、ナッちゃん、可愛い。ナッちゃんが1番好き、今は」

さぁ、第３回はいかがでしたか？

「あ、こんなふうになってるのは自分だけじゃないんだ」って、安心した方も多いのではないでしょうか？
いいんですよ、可愛がられるのが、猫の仕事なんですから。
で、可愛がるのが、私たちの宿命。
どんどん、ミッションを全うしていきましょうね。

本日もお付き合いいただき、ありがとうございました。

毎週月曜日、あなたと猫が幸せに暮らすヒントをお届けできたら嬉しいです。

それではまた来週！　　なんりひでこ

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