2013年10月7日月曜日

相談その12 猫トイレ以外でのおしっこについて、ある猫の場合


去勢済みのオス猫ですが、ひんぱんにお布団にそそうするので困っています。(東京都 40代女性)



なんりから

お布団におしっこは困りますねぇ。
でも、ネロ君は気持ちいいでしょうね。
お布団は柔らかくて、おしっこは跳ね返らず、すぅーっとしみ込んでいくから。

シッティング先でも、そそう防止にベッドにすっぽりビニールカバーをかけていたり、部屋中にペットシーツを敷き詰めているお宅を見かけることがあります。
たしかにお布団丸洗いは大変ですものね。

そういうお宅では、夜寝る時猫を寝室から出すのだとか。
せっかく猫と暮らしていて、猫といっしょに寝ないなんて、なんだかもったいないような気がするのは、私だけ?(笑)

さて、ネロ君はなぜお布団におしっこをするのでしょう。
「そんなことより、そそうを止める方法を教えて」
いえいえ、急がば回れ、というではありませんか。

病気に見立てれば、「お布団にそそうする」のは、表面に出た症状ということになります。
その場合、原因を突き止めることが、病気の元を断つ早道です。

なんり:病気のサインとは考えられませんか?
ご家族:動物病院で検査をしてもらったのですが、どこも悪いところはないのです。
なんり:では、ネロ君はどんな時にそそうするのですか?
ご家族:私の目の前で堂々とやるんです。あわてて、トイレに抱っこして連れてくと、ちゃんとトイレでもおしっこする。
なんり:ほー、そりゃ、確信犯ですね(笑)
ご家族:なにかストレスでもあるんでしょうか?

ちょっと脇道に逸れますが、よく使われる「ストレス」という言葉。
たいてい悪者にされてしまいますが、逆にストレスがなかったら、ストップが効かなくなったり、成長や進歩もなくなってしまいます。
実際にはストレスフリーより、適度のストレスとうまくつきあうほうがいいように思います。

なんり:なにか思い当たることはありますか?
ご家族:私が疲れていたり、忙しい時に限ってやられるような気がします。だから、余計「キィーッ」となってしまうんですけど……。
なんり:その反応は、ネロ君を喜ばせるだけかもしれませんねぇ。
ご家族:え? 私が怒るとネロが喜ぶんですか?
なんり:お布団におしっこすると、注意を惹けると学習したのかも?ですね。
ご家族:ええーっ!

(しばらく考えている様子のご家族)
ご家族:私がネロのペースにはまっちゃいけないんですね。
なんり:猫は人をもて遊ぶことにかけては天才ですから、ははは。
ご家族:ネロにそそうは、私の気持ちに余裕がないサインのような気がして来ました。
なんり:だとしたらネロ君は家族思いですねぇ、えらい、えらい。

少し原因がほぐれてきた感じです。
案外ネロ君のストレスではなく、ご家族のストレスが原因のような部分もあるのでしょうね。

ネロ君のそそうは問題行動ではなく、
「疲れているみたいだから、ゆっくり休みなよ」
のメッセージと受け取れば、怒りは感謝に変わるでしょう。

ただし原因がわかっても、そそうが簡単に治るとはかぎりません。
まずはご家族が変わることが先決ですからね。

猫を変えようと思うのではなく、自分の行動を改める。
みなさんに生き方を示唆してくれる猫師匠たち、ありがとう!






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