子猫のうちに習慣づけたい日頃のケアがあれば、教えてください(宮城県 30代女性)
なんりから
3月は猫の出産シーズンで、
生後2ヶ月くらいまでが子猫の社会化に重要な時期と言われています。
社会化とは、自分以外のものに対して、適切な対応ができるようになること。
簡単にいうと、猫が生きていくうえで必要なことを学習するのが生後2ヶ月間。
ですから、この期間はなるべく母猫やきょうだいと離さないほうがよいですね。
母猫から、狩り(捕食行動)や、危険の見分け方など学びます。
きょうだい猫とのとっくみあいから噛み加減やケンカの避け方、
お互いに身体を舐め合うことで安心感や信頼感を体得します。
同時に人との触れ合いを経験できれば、生涯人に対して恐怖を抱かず、
優しい猫に育ちます。
さて、生後2ヶ月を過ぎると、たいていの子猫は里親に出されて、
新しい生活が始まります。
この時期が、デイリーケアを習慣づけるベストなタイミング。
まぁ、このタイミングを逃しても、根気づよくやれば、
なんとかなるので大丈夫です、はい。
デイリーケアでは、まず猫の口回りを触れるようにすること。★ポイント1★
このことは投薬や歯の健康管理に関わってきます。
できれば、1番奥の歯を触れるようにしておく。
そうすると、獣医師に頼らない歯磨きや歯石除去が容易になります。
次いで、爪切りとコーミング。
抱っこされるのに慣れてもらうと、猫も人もラクちんです。
爪切りは、肉球マッサージを兼ねて行うと一石二鳥。
1本ずつ指を押し、爪がニュッと出たところで、
爪の先端5ミリくらいをカットします。
クシを使うのがコーミングで、ブラシを使うのがブラッシング。
私は毛の処理が簡単なコーム派です。
コーミングは猫がされて気持ちいいと思う箇所から、
少しずつ範囲を広げていきます。
大切なことは、爪切りもコーミングも「やらなければならない」と
いうような義務感でやらないことです。★ポイント2★
リラックスした呼吸で、優しい声で言葉がけしながら行うこと★ポイント3★
その他、シャンプーや歯磨き、耳掃除、アイケアなども必要に応じて、
負担なくできるようになるには、失敗を怖れず経験を積むしかないと思います。
ケアの仕方やコツは猫によって異なると思ってください。
猫と人が時間をかけて、探り合い、譲り合い、協力しあって、
築き上げていくものなので、すぐにできなくても落胆しないでくださいね。
まずは私たちが、緊張せず、心おだやかであること。★ポイント4★
そうすれば、猫もケアされることを気持ちよく感じます。
先日22歳で亡くなったズズのお手入れは、耳掃除、歯磨き、爪切り、タッチでした。
高齢になると麻酔手術はできませんから、歯石は親指の爪を使って。
歯磨きも奥歯の内側を磨けるよう独自のやり方を工夫しました。
マッサージよりは、やさしく触れるタッチを中心にして、
手のひらが導かれる箇所に手を当てることも、よくしました。
また、思い立ったときに即お手入れできるように、
使いやすい道具を選び、お手入れセットをバスケットにまとめておくといいでしょう。
子猫の時にケアを習慣づければ、年をとってからの
ケアがコミュニケーションにもなり得ます。
長い目でみたケアの有効活用、ぜひ楽しみながらトライしてください。
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さぁ、第10回はいかがでしたか?
猫のお手入れ、義務感ではなく、ゲーム感覚でやるのが私流です。
「お、こんなにたくさん、むだ毛がとれた!」とか、
「お口を触られるのを嫌がらなくなった」とか。
ちょっとでも達成感があると、またやる気がでてきます。
そして、どうぞ猫さんに話しかけながら、行ってください。
この時のあなたの声を猫さんたちが心地よく感じますように。
本日もお付き合いいただき、ありがとうございました。
毎週月曜日、あなたと猫が倖せに暮らすヒントをお届けできたら嬉しいです。
それではまた来週! なんりひでこ
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